「7人の脱出」とは
韓国ドラマ『7人の脱出』は、ある少女の失踪に関わった7人が繰り広げる復讐とサスペンスがテーマの作品です。『皇后の品格』や『ペントハウス』シリーズで知られる脚本家キム・スノクとチュ・ドンミン監督が再度組んで制作されたことで、放送開始前から大きな期待を集めました。韓国での放送が始まると、そのスピーディーで衝撃的な展開が直ちに話題となりました。
このドラマは、信じられないような展開にもかかわらず、視聴者が次の展開を気にならせるストーリーラインや、複雑で一癖も二癖もあるキャラクターたちによって特徴づけられています。『ペントハウス』でお馴染みのオム・ギジュンに加えて、ファン・ジョンウムが悪役で新たな挑戦をし、イ・ジュンが情熱的な演技でドラマをさらに盛り上げています。人間の欲望と弱さが深く掘り下げられ、見どころ満載の作品となっています。
『7人の脱出』シーズン2は、韓国で「7人の復活」というドラマとして2024年3月29日から放送される予定です。
「7人の脱出」あらすじ
優しい養父母に育てられたパン・ダミ（チョン・ラエル）は、実母クム・ラヒ（ファン・ジョンウム）と都会で暮らすことになります。ダミは大富豪のパン会長（イ・ドクファ）の孫にあたり、ラヒは遺産狙いで娘を引き取ったのでした。新しい環境での生活は一変し、学校の人気者ハン・モネ（イ・ユビ）と親しくなるも、モネの裏の顔により、ダミは困難な状況に追い込まれていきます。
「7人の脱出」企画意図
『7人の脱出』は、数多くの人々の嘘と欲望が絡み合い、一人の少女が失踪するという事件から始まります。このドラマは、その少女の失踪に関わったとされる7人の悪人たちが生き残りをかけたサバイバルを繰り広げ、彼らに向けられる血の復讐を描いたピカレスクな復讐劇です。
「7人の脱出」のキャスト
マシュー・リ（演：オム・ギジュン）
韓国国内最大のモバイルプラットフォーム企業、「ティキタカ」の会長です。彼は、まるで彗星のように現れ、瞬く間にモバイルメッセンジャー市場でのシェア1位を達成しました。その成功背景には、多くの人々が彼の実態を知らないほどの神秘性があります。彼の存在は謎に包まれており、その正体を知る人はほとんどいません。しかし、前代未聞の奇怪な事件をきっかけに、彼は世界の前に姿を現しました。その余裕のある笑顔の裏にある鋭い眼差しは、彼が抱える壮大な計画が決して平凡なものではないことを示しています。
クム・ラヒ（演：ファン・ジョンウム）
ドラマ制作会社LHメディアの代表です。彼女は、金と成功を人生最大の価値とみなす欲望の化身であり、欲しいものは何であれ必ず手に入れなければならず、そのためには手段と方法を選ばない人物です。現在準備中の大作ドラマの投資支援を受けるため、偽の母性さえも喜んで演じ出します。しかし、その選択が自分を狙う刃となるとは、彼女自身も知らなかったのです。
ミン・ドヒョク（演：イ・ジュン）
暴力団出身のトラブルシューターで、夢も希望もなく生まれただけに生きている、不安定な男性です。義理に生き、義理で死ぬ人物ですが、彼の人生は思いがけず裏切りの連続でした。外見は荒っぽく冷たく見えますが、心は熱い、「外は冷たく中は温かい」男です。意図せず「バンウルイ事件」に深く関わった後、激しい混乱の中を突き進む人物です。
ハン・モネ（演：イ・ユビ）
名門女子高校の校内スターであり、アイドルを目指す若い女性です。目を見張る美しさと裕福な家庭、そして抜群の才能を兼ね備えており、友人たちの間でも憧れの存在です。何一つ欠けることのない彼女にとって、致命的な弱点は嘘です。偽りの生活を送る彼女の人生は、ある時点から制御不可能に複雑に絡み合い始めます。
チャ・ジュラン（演：シン・ウンギョン）
産婦人科の専門医です。彼女は、父親世代にあたる資産家のパン会長と共に生活しており、彼が持つ財を心から愛して、常に彼を支え尽くしてきました。長年にわたり尽力してきたパン会長との関係が実を結ぶことを期待していた矢先、クム・ラヒがパン会長の唯一の孫娘を連れて現れたことで、彼女の人生に亀裂が生じます。
ヤン・ジンモ（演：ユン・ジョンフン）
エンターテインメント会社チェリーエンターテインメントの代表です。底辺から数多くの困難を乗り越えてきた経験を持ち、尊敬される代表の地位を築き上げました。普段は紳士的ですが、一度怒りが爆発すると誰にも止められない、底知れぬ欲望の持ち主です。彼は、中傷と陰謀に長け、韓国を席巻するフェイクニュースを生み出す特技を活かします。
コ・ミョンジ（演：チョ・ユンヒ）
江南の名門、ミョンジュ女子高等学校で美術の非常勤教師として働いています。モネの担任教師であり、互いに大切にし、尊重する特別な関係を築いています。自分の過ちを隠すために選んだ嘘が、やがて大きな破局を引き起こす原因となります。
ナム・チョルウ（演：チョ・ジェユン）
ドクソン警察署の刑事部隊の班長です。目立たない事件ばかり扱う地方の刑事生活に疲れ果てていた彼にとって、「バンウルイ事件」が全国民の注目を集める大きな事件となり、長い間隠していた彼の欲望がうずき始めます。
カン・ギタク（演：ユン・テヨン）
テバエンターテインメントの代表です。彼は、ヤン・ジンモのライバルとして、ソウルを拠点に活動する暴力団「中央派」のボス出身です。敵にも味方にも、恩も仇も必ず返す、義理堅い人物として知られています。
「7人の脱出」見どころ
「ペントハウス」制作チーム
韓国ドラマ界で復讐劇の絶対強者、『ペントハウス』シリーズのキム・スノク作家とチュ・ドンミン監督が強烈な帰還を果たします。SBSはこれまでに独創的で多彩な世界観のウェルメイドなサイダー復讐劇を一貫して提供してきました。形は異なれども、現実の息苦しさを解き放つ爽快な復讐の世界観に、視聴者からは熱烈な支持が寄せられています。代理満足の快感と処罰のカタルシスを確実に示したSBSのサイダー復讐劇のヒットの系譜に、絶対強者が加わります。『ペントハウス』で歴史的なシンドロームを引き起こしたキム・スノク作家とチュ・ドンミン監督の帰還には、熱い期待と関心が集まっています。「キム・スノクこそがジャンルである」と言われるほど、自らの世界観をしっかりと構築したキム・スノク作家と、ジャンル的な快感を最大化するチュ・ドンミン監督が今回どのようなセンセーションを起こすか、期待が高まっています。
俳優たちの演技
オム・ギジュン、ファン・ジョンウム、イ・ジュン、イ・ユビなどの俳優たちの鋭い変身と悪役キャラクターの相乗効果は見逃せません。国内最大のモバイルプラットフォーム企業の代表であり、悪の制裁者マシュー・リー役を演じるオム・ギジュンは、「最高の制作陣と俳優たちが本当に一生懸命作業しました。楽しんでいただき、たくさんの関心と愛をお願いします」と視聴を促しました。ファン・ジョンウムは、有能で突進的なドラマ制作会社代表クム・ラヒ役を務め、衝撃的な変身を予告しました。彼女は、「想像を超える複雑に絡み合ったストーリーの中で非常に多様な悪人たちが登場します。嵐のように巻き起こる展開の最後には、カタルシスを感じられるのではないかと思います」と伝えました。夢も希望もなく生まれたまま生きる男、ミン・ドヒョク役のイ・ジュンは、「退屈する隙がない展開で視線を引きつけることが最も重要なポイント」と述べました。そして、致命的な弱点を隠した万人のスター、ハン・モネ役のイ・ユビは、「回を重ねるごとにハン・モネがどんな嘘をつくのか注目してほしい」と視聴ポイントを指摘しました。ここに、シン・ウンギョン、ユン・ジョンフン、チョ・ユンヒ、チョ・ジェユン、イ・ドゥクファ、ユン・テヨンなど、信頼できる俳優たちの熱演がピカレスクな復讐劇にクライマックスをもたらします。
復讐劇そしてスピーディーな展開
キム・スノク作家は、想像を絶する展開の逆転、ジャンル的な快感を最大化するスピーディーな展開、裸の欲望を持つ人間たちの闘争を、復讐というテーマに密度高く溶け込ませ、時代を貫いてきました。この度の『7人の脱出』は、悪人たちを前面に出して、これまでの作品とは一線を画します。誰かを徹底的に踏みにじり生き残った7人は、人生の最高峰で制裁者が設計したゲーム盤に上がり、騙し合う生存ゲームを展開します。神の罰のような血の報復から逃れるために、悪人たちの巧妙な連携は、これまでにないピカレスクな復讐劇の粋を見せつけます。成功のためならば手段を選ばない悪人たちが犯した、洗い流せない罪とは何か、利己主義と欲望から始まったフェイクニュースがある少女の運命をどのように変えるのか、想像を超えるキム・スノクの進化した復讐劇が待ち望まれる理由です。
「7人の脱出」評価
『7人の脱出』は、韓国のエンターテインメント業界に対する深い理解と、2010年代後半から2020年にかけて大きな問題となったフェイクニュースに対する批判を大きく取り上げるなど、時宜にかなった話題をうまく扱っていると評価されています。また、時々登場するアクションシーンも見ごたえがあるとの評価です。
しかし、『ペントハウス』シリーズが初回から強烈な事件で視聴者の注意を引き、速いペースで物語を展開していたのに対し、このドラマは比較的ゆっくりと物語を展開しているように感じられます。放送前からシーズン2の製作が確定していることを考慮しているようですが、この点が好みが分かれる要素となっています。
これまでキム・スノク作家は、『ペントハウス』シリーズで刺激的な展開で「いかれたドラマ」という評価を得ながらも、シンドローム級の人気を誇りました。『ペントハウス』シーズン2は韓国で29.2%の高い視聴率を記録しました。自然と『7人の脱出』も、公開前から多くの人々の期待を集めました。
しかし、結果的には過度に刺激的な要素が含まれており好き嫌いが分かれる結果となりました。その結果、キム作家の『ペントハウス』シリーズと比較してみれば残念な視聴率となりました。
それでも、俳優たちの活躍は際立っていました。彼らは非情な悪役を演じて注目を集めました。『7人の脱出』はいくつかの残念な点を残し、『7人の脱出』シーズン2となる「7人の復活」が2024年3月29日から予定されています。
