【IT業界】誰でも理解できるクラウドコンピューティングの概要

はじめに

10年前にはTSUTAYAでDVDを借りて映画を見たり、マイクロソフトのオフィスを購入し、パソコンにインストールしたりすることが一般的でした。パソコンのファイルはローカルデスクに保存するため、外付けハードディスク等を別途購入しました。今でもまだそのようなことはなくなっていませんが、新たなやり方が登場しています。映画はネットフリックやプライムビデオから見ることができますし、エクセル等のオフィスやアドビのPhotoshopなどは定額制の料金を支払って、ソフトウエアを使用します。また、グーグルドライブやドロップボックスなどのオンラインストレージにファイルを保存し、どこでもどのデバイスからもストレージにアクセスできるように練っています。

このような変化の中心には「クラウド」があります。クラウドコンピューティングはどんなものでどんなメリットがあるかについて、解説いたします。

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クラウドコンピューティングの仕組み

クラウドコンピューティングの前にはエクセルのようなアプリを購入し、アプリで作成されたファイルはパソコンに保存しました。車でたとえると自家用車を購入して利用することと同じです。自分の都合の良い時に自由に使うことができ、自分でメンテナンスを行うという仕組みです。ただし、パソコンが壊れたりなくした場合は使えなくなります。また、毎日エクセル作業をする人も、月に1回作業する人も同じ料金を支払う必要がありました。

しかし、2000年代中盤からウェブ上でグーグルスプレッドシート等のアプリが使えるようになり、そのファイルはグーグルドライブというオンライン上にファイルを保存できるようになりました。グーグルドライブ上のファイルはネットに繋がっているどんなデバイスからも利用することができて、パソコンやスマホが壊れても別のデバイスからアクセスできるようになりました。料金も15Gまでは無料で使えるし、必要に応じて追加料金を支払ってつかえるようになります。車を持たなくても使いたい時に使う分の料金を支払って使えるカーシェアと同じような仕組みです。

このようにアプリケーションとファイルを個人のパソコンではなく、オンラインに保存する方式をクラウドコンピューティングといいます。今はこのクラウドコンピューティングを利用したサービスがたくさんあります。Gメールはoutlookのようなメールアプリがなくてもウェブ上でメールサービスを利用できますし、アップルミュージックやスポティファイの利用者はCDを買わなくても、音楽が聴けます。iPhoneはicloud上にメッセージや写真を保存すれば、新しいiphoneに変えても前と同じように使えます。

クラウド技術の構成要素

クラウドに存在するファイルはどこに保存されているんでしょうか。普通に想像すると不思議かもしれませんが、簡単にいうと違うコンピューターに保存されているだけです。正しくはサーバー上(データセンター)に保存しています。そのデータをフロントエンドとバックエンドの技術で読み込んで使えるようになります。

サーバー(データセンター)

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グーグルドライブを例えると、グーグルドライブでファイルを作成つると、そのファイルの情報は使用者のパソコンではなく、グーグルのパソコンに保存されます。ここでいうグーグルのパソコンというのが、サーバーです。サーバーとはデータを保存したり、アプリケーションやウェブサイトを動かすことに特化しているパソコンだと思えばよいです。主に演算処理のみ実施するため、キーボードやマウス等がついていない、パソコンです。また、必要に応じて電源を入れるパソコンとは違って、365日24時間ずっと電源がついているパソコンです。

このようなサーバーはデータセンターという建物にたくさん並んでいるのが一般的です。データセンターはたくさんのサーバーがずっと動いているため、特殊な冷房システムや予備発電システム等が具備されている特殊な建物にあります。

フロントエンドとバックエンド

サーバーはアプリやウェブサイトのサービスの機能を実現するための様々な処理を行います。その処理結果を使用者のデバイスに送信し、使えるようになります。ここで、使用者のアプリ側をフロントエンド、サーバー側をバックエンドと言います。

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クラウドのメリットとデメリット

このようなクラウドコンピューティングによって、使用者はとっても利便性の高くクラウドサービスを利用できます。ただし、いくつかデメリットも存在します。

まずは、セキュリティ問題です。グーグルドライブ等はグーグルのパソコンに自分のファイルを保存しているため、グーグルのサーバーにトラブルが発生した場合には、自分のファイルも危ないです。2014年にはアップルのアイクラウドがハッキングされ、ハリウッドの有名俳優たちのプライベートな写真が流出された事件もありました。ただし、アップルやグーグル、アマゾン等ほとんどのクラウドサービスを提供している企業はセキュリティ強化にかなり力を入れており、利用者がパスワードを簡単なものに設定しない限り、個人パソコンに保存することより安全だといえます。

次に、プライベート侵害のリスクです。企業側が保存しているファイルを何らかの理由で企業が第3者に提供する可能性もなくはないからです。ただし、アメリカ合衆国司法省がテロや犯罪の理由でグーグルとアップルのメールサーバーのファイル提出を求めたことが何度かありましたが、まだ一度も応じていません。それは、プライベート侵害のリスクを企業側も把握しており、いかなる理由でも前例を残したくないからだと思います。

また、ネットワーク問題があります。基本的にクラウドサービスはネットワークが使える環境でないと使用できません。ただし、最近は多くのアプリがオフラインでも限定的に使用できるような仕組みを導入し、改善に努めています。

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