多くのリーダーは打合せが始まると、自分の役割は終わったと思います。またはリーダーは会議でアジェンダがちゃんと議論されているかを管理する役割と理解しています。しかし、リーダーはリーダーです。打合せの成果はリーダーのコミュニケーション能力にかかっているといっても過言ではありません。今回はリーダーの立場で会議を企画して進める方法についてポイントを解説します。
アジェンダだけでなく議論のポイントを事前に準備する
アジェンダを決めておくことは必要です。しかし、伝えたいポイントを効果的に伝えることは難しいです。そのため、アジェンダを企画する際には、打合せで議論したいと思うポイントを簡単にあらかじめ用意しておく必要があります。
「今回の会議で自分はどんな意見を言いたいか」「参加者はどんな質問をし議論することが望ましいか」
自分自身に上記質問をしてみると、打合せで議論するポイントを整理することに役立ちます。また、このような質問を打合せの最初や関連アジェンダが出たときに参加者へ共有することで、打合せの効果を高められます。会議アジェンダは真っ白の画用紙と同じです。議論ポイントは、アジェンダに方向性を提示する機能をします。
会議の目的(purpose)を先に提示する
何らかの課題について打診するとか取扱う(explore or address)といった曖昧な表現は避けた方が良いでしょう。目的が明確でなければ単なる会話になるだけで、課題の解決や次のアクションに繋がりにくいです。そして打合せの最後に目的が達成できたかどうかをチェックします。
会議参加者のガイド役
打合せの最初は、どのような内容で会議するのか、どのような流れで進むかについて参加者に共有します。そして、打合せの途中では、各チェックポイントでどんなアジェンダに進んでいるのかなど、会議の状況を参加者に思い出させます。そしてそれぞれのアジェンダについての議論が終わったら簡単に要約し、まとめてあげます。
このようなリーダーの事前説明(preview)、転換(transition)、中間整理(review)は、参加者が会議の流れと議論の結果を理解し、会議で期待されていることを把握し積極的な参加者になることに役立ちます。
良く聴く
常に発言者に身を向けて目を合わせて聞きましょう。リモート会議であればカメラを見てうなずくなど積極的にリアクションします。
発言者が話す時間を自分がする発言について考える時間として使わない方が良いです。相手の発言を誤って理解すると、あなたへの信頼問題につながる可能性があります。
相手の話を途中で切らず、最後まで話し終わることを待ちましょう。場合によっては、相手の話しの途中に入って言葉を仕上げてあげることが、意見に同意する肯定的な態度のように見えるかもしれませんが、これも失礼な行動になります。
会議ではいつもオープンマインドを維持し、相手の意見に反論したいという欲求を抑えなければなりません。会議が本質的に目指すことは議論(debate)ではなく対話(dialogue)です。なので反論ではなく発言者の視点を理解する努力をしてみましょう。
質問する
何を達成しようとしていますか?この方法を会社やチームにどのように適用しますか?などの質問をすることで、参加者が戦略的に思考することを助けることができます。
次のステップへの明確なプラン
打合せが終わるときには次のステップが明確に整理される必要があります。それで関係者の次のアクションへスムーズにつながります。誰がどのようなアクションを行い、いつまで完了するのかを明確に整理しましょう。会議は行った実績だけでは意味がなく、参加者が次のステップに進むことで意味があります。
参考 Joel Schwartzberg (Jan 2022), “10 Tactics to Keep Your Meeting on Track”, HBR Blog