世界の7割は貧困層
世界人口の70%の人々は貧困層にあたります。半分以上の人々は一日に2ドル(250円程度)で生活をしています。貧困層のほとんどはアフリカとアジアに偏っています。
これまでは、このような貧困層は企業たちの想定顧客に入っていなかったです。購買力があまりないので、貧困層をターゲットに製品やサービスを提供しても利益にならないためです。
安くたくさん売る
しかし、貧困層をターゲットにしたビジネスには大きいメリットがあります。それは最初に述べたように、世界人口の7割ほどがターゲットになることになります。このように、貧困層をターゲットにするビジネスをBOPビジネスと言います。
BOPビジネスはミシガン大学のC.K.Prahalad教授が執筆した「The Fortune at the bottom of the pyramid」や、コネル大学のStuart Hart教授の「Capitalism at the crossroads」などで取り上げられて本格的に使われるようになりました。Bottom Of the Pyramidの略で、ピラミッドの下にあたる低所得層、貧困層を対象にするビジネスです。Bottomという言葉のネガティブなニュアンスを避けるため、最近はBase Of the Pyramidで使ったりもします。
BOPビジネスの事例
BOPビジネスの有名な事例としては、住友化学があります。住友化学は殺虫剤処理をした網戸をアフリカで販売しました。5ドル程度の製品でしたが、現地で工場を増設するほど大成功になりました。また、ユニリーバは洗剤やシャンプを小さい容器に入れて価格を下げBOP市場で大成功しました。
BOPビジネスの効果
価格が安いからって全ての製品が成功するわけではないです。ただし、すぐには利益が出せないけど、ブランドネームを売るために成長する市場を先取りするために、参入する企業も増えています。
先進国や中産階級の市場の成長が伸び悩んでいる今、BOP市場は打開策として良い取り組みになり得ます。また、BOPビジネスは社会問題を解決しながら、利益を追求できるためSDGSの観点でもメリットがあります。さらには、BOPビジネスによって貧困層の問題を解決し、中産階級に成長できれば、購買力ができて先取りできている企業にとっては、将来的な成長への投資にもなれます。