『マスクガール』原作漫画解説：ストーリーと結末（ネタバレ）

August 22, 2023March 29, 2024

ネットフリックスが提供するオリジナルシリーズ『マスクガール』は、韓国のNAVERウェブトゥーン（ライン漫画）をベースに制作されました。ドラマが大人気で注目となり、原作の方も注目を集めています。

https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000407

『マスクガール』原作漫画の魅力

『マスクガール』は、メミと フィセ という著名な作家によって2016年から2018年までNaver Webtoon（ライン漫画）で連載された作品です。この二人は他にも『偉大なバンオクスク（위대한 방옥숙）』や現在連載中の『パールイピーポー（팔이피플）』などを共に手がけ、その才能を発揮しています。メミがストーリーを書いて、フィセが絵を描く形でコラボレーションしています。

『マスクガール』原作漫画の作品特徴

メミとフィセの作品には以下の共通的な特徴があります。

外見至上主義と物質主義の中で生きる様々な人間像を描き出す。
描写と展開が非常にリアルで、世俗的な要素が目立つ。
登場人物はみな自分の欲望によって滅びる。
登場人物は皆、真実を持っており、誰もが特に感情移入せずに見ることになる。彼らはかわいそうに見えることもあれば、成功してから再び転落し、またかわいそうに見えることもある。

『マスクガール』原作漫画のストーリーとその結末（ネタバレ注意）

『マスクガール』原作漫画（ウェブトゥーン）は大きく3つのシーズンに分けられています。ライン漫画マスクガールの１部から３部までのストーリをまとめました。ネタバレがありますのでドラマをまだ見てない方やライン漫画で楽しむ予定の方は注意してください。

1部：マスクガールの誕生と2つの殺人事件

主人公のキム・モミは、29歳の女性で、ブサイクな容姿ゆえに差別と軽蔑にさらされながら生きています。しかし、そのブサイクな外見とは裏腹に、完璧なボディを持っており、マスクをつけて大人向けのライブ配信を行い、お金を稼ぐことになります。
一方で、チュ・オナムはブサイクな外見とオタク趣味の持ち主で、大人向け配信を見ることが唯一の楽しみです。その中でも、特にマスクガールのチャンネルがお気に入りです。

オナムは人と目を合わせることができない対人恐怖症を抱えており、いつも人の手を見て会話をする癖があります。
同じ会社にいるモミとよく配信を見るマスクガールの手の指のほくろの位置が一致していることや、毎日のようにネイルアートのデザインが同じしていることから、モミがマスクガールであることに気付き、片思いを始めます。
モミはライブ配信でいつも優しくコメントしてくれるハンサム和尚（ニックネーム）とオフ会をする約束をします。ただし、ハンサム和尚はマスクガールと会うことをTwitterで中継したり、口説いてホテルに連れていくことが目的です。ハンサム和尚のTwitterを見たオナムはモミに危険を知らせようとしますが、うまくつたえられず、無視されたりして怒ります。
ハンサム和尚はモミをホテルに連れてて一夜をともに過ごそうとしますが、モミのガードが固く、あきれたハンサム和尚はモミの顔の容姿に暴言を吐き、その場を去ろうとします。しかし、顔がコンプレックスだったモミは切れてしまい、自分も知らぬ間にハンサム和尚を殺してしまいます。

一方、オナムはモミに注意しようとしたことが無視されたことを根に持って、モミの顔写真とマスクガールの配信キャプチャーを編集して、会社のメールや社内掲示板で拡散します。ショックを受けたモミは配信中に自分の命を落とすようなところを見せます。
その配信を見ていたオナムはモミの家に駆けつけます。しかし、これは自分の正体を知っている人を探るためのモミの演技でした。オナムはついにモミによって殺されます。
ハンサム和尚とオナムまで2人を殺してしまったモミは整形手術を受け、姿を消します。メディアにはマスクガールの顔が知られていないため、警察はマスクガールを捜索するために手配を開始し、モンタージュを配布します。しかし、モンタージュは特徴のない典型的な整形美人の顔であり、モミは問題なく新しい人生をスタートさせることができます。

2部：新たな人生と意外な展開

モミは整形手術を受け、名前も‘ユミ’と変えて新しい人生を始めます。恋人もいて結婚を控えているなど幸せな日々を過ごします。
ある日、マスクガールの整形前の似顔絵が警察から公開されます。そのニュースを見た婚約者は「ブサイクすぎる、ここまでブサイクなら人殺したい気持ちにもなるよ」みたいな悪口を言います。
自分がもし殺人犯でも愛せるといっていた婚約者がマスクガールの顔に対して暴言を吐くことにショックを受けたモミは、婚約者の前から姿を消します。

今度は名前を’アルム’に変え、バーで働くようになったモミ。そのバーでは、モミの整形後の顔とそっくりさんの‘ララ’（本名キム・チュナエ）がナンバーワンエースとして活躍しています。ララが仕事を休むたびに、モミが代役として代わります。モミはララの口調まで完璧に真似し、常連客から人気を集めるようになります。

しかし、ララはモミのことが気に入らないので、追い出そうとします。一方、モミはララの内向的な性格を利用して、逆にララを泥棒の濡れ衣を着せ、バーから追い出します。追い出されたララは風俗で働き、悪い男性と関わるなど堕落した生活を送るようになります。
その後、モミは自分の名前を‘ララ’にします。モミはモデルの仕事やどんどん活動範囲を広げながら幸せな日々を過ごします。ついに芸能界の人の目にも入って、芸能人としてデビューすることになります。しかし、芸能プロデューサーはモミの顔に整形の痕跡が目立ちすぎると感じ、自然な顔に再度手術するよう勧めます。ちょい役でデビューできたがテレビに映る自分の姿に満足できないモミは、再び手術を受けます。
その頃、芸能プロデューサーは他の新人に興味を持ち始め、その新人が地上波ドラマの主演女優さんになると、モミは嫉妬心を抱きます。モミは芸能プロデューサーの気を引くために再び整形手術を受けますが、何度も手術を重ねるうちに深刻な副作用を引き起こします。整形手術でお金もなくなり、新たな新人女優さんもたくさん出てきてモミは芸能界での短いキャリアを終えて、賃貸のアパートで貧しい生活を送るようになります。そして、自分が妊娠していることを知るのです。

一方、オナムの母親であるキム・ギョンジャは、息子の死後、マスクガールに復讐するために彼女の行方を追いかけます。
その過程で、ララに出会い、マスクガールだと思い込んで誘拐します。しかし、ララは自分が整形手術で胸を大きくしただけであることを証明し、マスクガールとは別人であることを示します。
その後、ララはギョンジャが探している子がモミであることに気づき、ギョンジャからお金をもらい、モミを探してあげることになります。
ララは彼氏と一緒にモミを探しだしましたが、整形の副作用で苦しんでいるミモを助けてあげます。信頼関係ができたらギョンジャにミモを渡すつもりで彼氏と計画を立てましたが、その過程で彼氏を束縛するためにララがやった行動が彼氏にばれて、暴行されます。ララがそれに対抗しようとしてる中で不本意的に彼氏を殺してしまいます。
びっくりしたララはモミのに助けを求め、モミはララを手伝い、彼氏の遺体をもって山に行きます。ララはモミに感謝の気持ちを感じたので、モミをギョンジャに渡すことを悩んでました。モミに睡眠薬を飲ませましたが、最終的にモミと手を組もうとしました。
ただし、モミはララのすべての計画を見抜いており、睡眠薬をのまずに意識を失ったふりをしていただけでした。
その結果、モミは自分と似ているララを変装させギョンジャに引き渡し、ララがギョンジャにやられてしまう結果となりました。そしてモミはお腹の赤ちゃんと一緒に再び逃亡することに成功します。

3部：結末に向けて

１６年が過ぎ、子供を出産したモミは、結局警察に逮捕されて終身刑を宣告されます。子供の名前は自分の名前を逆さにした’ミモ‘で、彼女はミモの母親であるシン・ヨンファに育てられます。
ミモは母親に捨てられたことや、厳しい祖母も嫌で問題行動を繰り返し、問題児として育っていきます。

一方で、オナムの母親であるキム・ギョンジャは、自分が殺したのがモミではなくララであることに気付きます。彼女は整形手術を受け、名前を’イ・ジングク‘に変えて再びマスクガールを追跡します。そして、ミモと祖母のシン・ヨンジャが住む家の近くでトッポッキの屋台を営みながら、彼らと交流を深めます。問題児として育ったミモは、祖母のように自分を気にかけてくれるギョンジャを心から頼ります。
ギョンジャはミモの前では家族のように親しく振る舞いながら、裏ではマスクガールが捕まるときに娘であるミモの居場所をマスコミに流すなど、いじめます。手術の副作用や娘の心配などから刑務所にいてはならないと思った、モミは脱獄を試みますが、再び逮捕され懲罰部屋に監禁されます。懲罰部屋で3週間過ごしてる間、聖書を読みました。そのタイミングで奇跡のように整形の副作用も治りモミは熱心なキリスト教になり別人のように変わってしまいます。
しかし、ある日、モミの前にボランティアとして’イ・ジングク‘という偽名で姿を現したのはキム・ギョンジャでした。
ジングクはミモを害するつもりであり、自分と同じく子供を失った苦しみを味わわせるためにモミを脅迫します。娘が心配なモミは刑務官に相談しますが、誰も信じてくれないです。
家出をしたミモは一番頼れるギョンジャと暮らすことになります。キム・ギョンジャは自分を本当に頼ってくれるミモを殺すことは胸が痛いが、ミモを害する計画を実行します。
モミは同じ刑務所の収監者の娘に腎臓移植をするという言い訳で外出し、脱出に成功します。母ヨンファにミモの居場所を知らせ、自分もギョンジャの家に向かう瞬間、警察に囲まれてしまします。どうすることもできないモミは娘の無事を祈りながら崖に身を投げます。
ギョンジャもモミの母ヨンファの通報を受けて出動した警察から逃亡し、近くの山に逃避した後、自分でこの世を去ります。
モミの遺体は結局発見されなかったんですが、ミモが二十歳になった年、マスクをした女性がミモの姿を見に来ます。
ミモは結婚に失敗するが、子供ができ30歳になった年に、モミの幼い頃のビデオを見ます。将来の夢が芸能人だと言い、恥ずかしがりながら笑うモミの姿を見て微笑むミモ。
その後、ミモはぐれなかったという説明と一緒にマスクガールのライン漫画は終わります。